ア行 |
一代交配種(いちだいこうはいしゅ) |
異なる系統の品種を交配して得られた雑種第一代のものを一代交配種(F1)と呼ぶ。親の組み合わせによって親よりも優れた形質が現れることがある。しかしこれらから種子を採った雑種第二代(F2)を栽培した場合、親の形質がバラバラに出現してしまう。 |
一季咲き(いっきざき) |
日本のように四季のある地域の自然条件下で、一年のうちの一定の季節に一度だけ開花する性質をいい、日長や低温が関与している。これに対し、春と秋2回開花するものを二期咲き、とくに決まった開花期をもたないものを不定季咲きという。 |
オールドローズ |
19世紀以前に作出されたバラの園芸品種の総称。多くの原種が関与している。
一季咲きだが、近年のイングリッシュガーデンブームの中で導入され、一部で人気を呼んでいる。 |
お礼肥え(おれいごえ) |
果樹などの追肥の一種。果実の収穫後に施す肥料のことである。開花結実によって樹勢が衰えたものを施肥によって回復させる。観賞樹では、生育期の剪定、刈り込み後に萌芽、生育を助けるために施される。 |
カ行 |
返り咲き |
狂い咲き、不時開花ともいう。本来の開花時期以外に花が咲くこと。夏に花芽分化した株が風害、病虫害などによって生育期に落葉してしまい、その後時期はずれに開花してしまうことがある。サクラ、フジなどが秋に開花する例がある。 |
活力剤 |
内容的には不明なものが多いが、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)などの微量要素やビタミン類などが含まれているものと思われる。これらは植物の生理活性を高める効果はあると思われるが、肥料ではないので、活力剤だけの利用は避ける。 |
株分け |
主に株元からいくつもの茎を出して育つ一つの植物体を分割して、複数の個体にすることをいう。根分け、芽分け、分株と呼ぶこともある。多年草や低木で多く行われる栄養繁殖のひとつである、花木類では、基部や地下部から発生した新梢などを、宿根草では地下の根茎から発生した部分を分けるのが一般的。
株分けには、繁殖の目的のほか、株に刺激を与え、更新させ、生育を促す働きもある。 |
緩効性肥料(かんこうせいひりょう) |
科学肥料の多くは速効性であるが、ゆっくりと効いていくようにした肥料。植物の生育初期にチッ素分が多量に施されると、濃度障害、徒長などが起こるので、何回かに分けての施肥の代わりに緩効性肥料を施す。水に難溶性にしたり、微生物に分解されてから効果を現すもの、粒状にした肥料の表面をコーティングして除々に溶け出すようにしたものなどがある。 |
コンテナガーデン |
植物を栽培する容器には鉢だけでなくプランター、桶、バケツ、石など多くのものが利用されている。これらを総称してコンテナと呼んでおり、これらで植物を栽培したものをコンテナガーデンと呼んでいる。 |
コンパニオンプランツ |
いくつかの植物をまとめて栽培するときに、植物によっては他の植物の生育を阻害したり、助長することがあり、こうした中で病虫害の発生を抑えたり、生育を助けたりする植物の関係があり、コンパニオンプランツと呼ぶ。しかし現在は単に寄せ植えをするときに相性のよいものをさすことが多い。 |
サ行 |
咲き分け |
一株の木や草で、いろいろな花色や花型のものが咲くこと。サツキ、ハコネウツギなどに見られる。 |
四季咲き性 |
一定の開花期がなく、株がある程度成長すると開花する性質。 |
相対的短日植物 |
一日のうちの昼の長さが、一定の限界の時間より短くなったときに花芽形成が誘導される植物を短日植物という。限界の時間よりも昼が長いと栄養成長を続け、開花しないものを絶対的短日植物あるいは質的短日植物という。これに対し限界日長より昼が長いと開花は遅れるが開花するものを相対的短日植物または量的短日植物という。 |
相対的長日植物 |
一日のうちの昼の長さが一定の限界以上に長くなったときに花芽形成が誘導される植物を長日植物という。限界日長より短くなると開花しないものを絶対的長日植物あるいは質的長日植物という。これに対し、短日条件下でも遅れるが開花するものを相対的長日植物もしくは量的長日植物という。 |
タ行 |
短日植物 |
相対的短日植物参照 |
短日処理 |
短日植物の花芽分化時期を調節する技術。光を通さない遮光資材で植物を多い短日条件を作り出す技術でシェード栽培と呼ばれ短日植物を長日期に花を咲かせるための技術として使われる。 |
耐寒性 |
一般に植物が氷点下以下の気温に耐えることができる能力のこと。 |
長日植物 |
暗期がある限界よりも短くなると花芽分化を始めたり、花芽の発達が促進されたりする植物 |
トピアリー |
植物を刈り込んでつくる造形の総称。 |
ナ行 |
根詰まり |
鉢植えなどの容器栽培にされた植物が旺盛に成長した結果、根が容器いっぱいに伸長してその後の生育を鈍らせる状態をいい、放置すれあ株は衰弱し、枯死する場合もある。このため容器栽培にした植物は、定期的な植え替えが欠かせない。 |
ハ行 |
ハイドロカルチャー |
水耕栽培の一種。発砲煉石などを用いて、植物を栽培する方法。 |
培養土 |
鉢物用土など植物栽培用の土。畑土などの土に堆肥などの有機物を混ぜて保水性、排水性、通気性などをよくして植物の栽培に適するようにして使われる。 |
葉水 |
植物の葉に見ずをかけて蒸散を抑えること。ほこりなどを洗い流す効果もある。 |
葉焼け |
植物の葉が強い光を浴びて変色したり、枯れてしまうこと。移植直後に室内に置かれていた植物を急に屋外に出して直射日光に当てたりしたときに起きやすい。過剰な蒸散によって葉内の水分バランスがくずれ、細胞が枯死するために起こると考えられる。 |
バルブ |
別称、偽球茎。着生ランが持つ養水分の貯蔵器官で葉が変形したもの。ラン類は地生種、着生種の2タイプに大別されるが、着生ランは、岩肌や樹幹に付着するタイプで、乾燥に耐えるために太い根を持ち、貯水機能が発達しており、気根を出し、雨水から養水分を吸収して生活している。葉は肉厚なのが特長だが、バルブは大量の養水分を著上するために葉が変形し、太く、あるいは球茎に発達したものである。 |
半耐寒性 |
耐えうる気温のレベルが0℃前後である能力を半耐寒性という、植物は細胞や器官の単位で、氷点下の気温下に耐える術を見につけているが、多くの場合は細胞外であえて凍結・脱水の状態を保つことで、細胞自身が凍結、壊死することを免れている。半耐寒性の植物の越冬には、霜や寒風を避ける道具を用いたり、それらを回避できる場所に移動するなどの処置が必要である。 |
ほふく性 |
植物が地表を這うように生長する性質。別称這い性。多くの植物は、上へ伸びて生育し、その姿を直立姿と呼ぶ。対するほふく性の植物は、草丈自体は低いままで、茎あるいはほふく茎を横方向へ伸長させる。イチゴ、バコパ、ポーチュラカ、シバザクラ、スイートアリッサムなど。またなかには、キンギョソウ、バーベナのように、同じ種でありながら立ち性とほふく性を示す種類もある。ランナーもほふく性の一種で、栄養繁殖の役割をも担う。 |
マ行 |
間引き |
栽培密度を下げ、適正な栽培間隔をとるために生育中の苗の一部を抜き取ること。競合を避け、生育を促進させることを目的とする。 |
マルチング |
土壌の表面をポリエチレンフィルムやイナワラなどによって被覆すること。雨水による土壌浸食の防止、地温の調節、土壌水分の蒸散防止、雑草防止、泥はねを防止して病気の発生を防ぐためなどのために行われる。 |
実生(みしょう) |
種子をまいて作った苗を実生と言う。栄養繁殖の苗と区別するための用語 |
メリクロン |
meristem(分裂組織)とclone(栄養系)の合成語。茎頂(成長点)を培養して得られた個体群のこと。 |
ラ行 |
ラティス |
本来は格子そのものを指す言葉であったが、転じて今では、ラティスフェンスのことをいう。ラティスフェンスとは、細い木を格子状に組んだフェンス。庭やベランダの壁面を整えるために用いられるが、ツル性植物などを絡めるために利用することも多い。類似語のトレリスは本来格子状に組んだパネルを指したが、今では植物を絡めるための格子状の支柱を意味している。 |
ワ行 |
矮性(わいせい) |
ドワーフとも。節間伸長が少なく、草丈の低い植物をいう。遺伝的なもの、成長抑制剤を使ったもの、台木によるもの、栽培方法によるものなどがある。 |